昭和八年三月、初診。 体格は強壮で約176cm。体重は64kgで栄養佳良である。 主症状は、対人恐怖症で強迫神経症である。 診断は、精神分裂病や、意志薄弱でなく、神経質である。 しかし、治療の効果の不完全を疑いながら、六・・・
「赤面恐怖」の記事一覧(4 / 9ページ目)
重症の対人恐怖症(視線恐怖)克服記No.6
16.取り越し苦労をすること。 他人にノートを貸せば、失いはしないかと思い、他人にものを聞きたい時、教えてくれないのではないかと心配になって問うこともできず、温灸の器械を買った時にも、温灸院長が死ぬようなことがありはしな・・・
重症の対人恐怖症(視線恐怖)克服記No.4
6.人に見られるのを気にすること。 重症の対人恐怖症(視線恐怖)患者は人と対座するとき、または汽車、電車の中で、常に人に見られるように思い、顔がこわばり、口の周りがしぼむような気がする。 重症の対人恐怖症(視線恐怖)患者・・・
重症の対人恐怖症(視線恐怖)克服記No.3
現在症 1.赤面恐怖症。 十四歳頃から、全ての人に対して現われ、十九歳頃から、特に女に会えば、赤面と同時に、顔から汗がポタリポタリと落ちるほど出る。 話し相手が未知の人で、教師であれば、脇の下から先に汗が出る。 デパート・・・
重症の対人恐怖症(視線恐怖)克服記No.2
強迫観念の連続 重症の対人恐怖症(視線恐怖)患者の既往歴 生後直ちに、父の兄の家に、養子となって育てられた。 小学時代、家では暴れるが、外では恥ずかしがり屋で「内弁慶」としゃく名されていた。 八歳の夏、養父が病気にて転任・・・
重症の対人恐怖症(視線恐怖)克服記No.1
およそ対人恐怖症患者は、自ら気の小さいはずかしがりやであると称して、しかも無遠慮で、人の迷惑を意としないという特徴がある。 治療に関して、問い合わせの手紙でも、はなはだ委しい長いものが多く、稀には郵税不足などもあって、重・・・
重症の赤面恐怖の克服例NO.9
天国の安楽 十九歳の娘とは思われぬほどの立派な文章である。 これによっても、実際の体験から出たものは名文もできるし、虚構のものでは本当のものができないという事が分かる。 しかしこれも、一般の人、もしくは対人恐怖症のまだ治・・・
重症の赤面恐怖の克服例NO.8
恥かしがり屋のままに生きる 次に、四か月後、同年七月の手紙。 (前略)私事、その後ますます元気にて、日々感謝しつつ暮らしております。 私はこの頃、心の底より泉のごとく湧き出づる喜びに浸っております。 私は近頃、先生の御教・・・
重症の赤面恐怖の克服例NO.7
昭和七年三月に退院して、一か月後によこした全治の喜びの手紙は、次のものである。 春も過ぎようとしております。 先生はいかがお過ごし遊ばれますか。 お坊ちゃんのその後の容態はいかがでしょう。 ご案じ申しております。 私に対・・・