”神経症を分類する”
実際に神経症にもいろいろな類型があるが、それぞれの類型にはそれぞれ異なった心理力動が対応しており、したがって、また、それぞれに対する治療技法も違ってくる。
ここでさまざまな神経症の治療技法について概観してみることにしたい。
神経症には、各種類型によって、症状内容と基底にある対人葛藤との関連性の度合いに差異がある。
対人恐怖症の中核群では対人葛藤がそのまま症状内容となっている。
それに対して、不安神経症や強迫神経症では対人葛藤と症状内容との関連性はほとんどないともいえる。
対人恐怖症の辺縁群は、両者の中間に位置するといえるであろう。
この両者の関連性に着眼しながら、主要な神経症類型の心理力動造を図示すると、図8のようになる。
【図8】
古くより不安ヒステリーという概念がある。
そこで、若干その意味を拡大することになるが、図では不安神経症とヒステリーを一括して示しておいた。
※参考文献:対人恐怖 内沼幸雄著