”「緊張して疲れてしまう自分」を客観的に観察してみる”

なにかあるとすぐに緊張して、ストレスでで疲れてしまう人、人に会うと緊張して、あるがままでいられない人、対人恐怖症の人、そういう人はまず、自分が誰かの投射の犠牲になっていないかということを、真剣に考えてみることである。

そして、その人への心理的依存を克服することである。
その人に心理的に依存しているかぎり、どんな訓練をしても無駄である。

では次に、どうしたら心理的依存を脱け出せるかということである。

それにはとにかく、多くの人を観察することである。
できれば話し、つきあうことである。そして、自分が心理的に依存している人と、それ以外の人との違いに眼をそそぐことである。

自分が心理的に依存している人は、絶えず他人の悪口をいっているのに、あの人はあまり言わない。
自分が心理的に依存している人の言動には、つねにどこか思い上がりがあるけど、あの人にはそれがない。
そのようなことがわかってくる。

心理的に依存していれば、その人の思い上がりなどわからないという人もいるかもしれないが、心の底ではやはり思い上がりを感じているのである。

対人恐怖症の人はとにかく観察することである。
すると、わざとらしさが眼についてきたりする。

しだいに、自分の心の底の底にあるその人への不信感がハッキリしてくるであろう。

対人恐怖症の人は、心理的に安定した人を見れば見るほど、自分が心理的に依存している人の正体を見抜けるようになる。
すると、今まで独創的な意見と思っていたことが、単なるひねくれであるなどとも思えてくるのである。

※参考文献:気が軽くなる生き方 加藤諦三著