昭和八年三月、初診。

体格は強壮で約176cm。体重は64kgで栄養佳良である。

主症状は、対人恐怖症で強迫神経症である。

診断は、精神分裂病や、意志薄弱でなく、神経質である。

しかし、治療の効果の不完全を疑いながら、六十日間くらいの予定で、入院を許可した。

五日間半の絶対臥͡辱療法中、第一日から三日間は、主として、にらむことが治るかどうかの不安で苦しんだ。第四、五日は、退屈を感ずるようになった。

※参考文献:対人恐怖の治し方 森田正馬著