”対人恐怖症の分類”

対人恐怖症の概念自体については研究者の間でもけんかいのずれや不一致が生じている。
私は自己臭恐怖(自己臭症ともいう)の大部分や醜貌・醜形恐怖の一部は対人恐怖症に含めない方がいいと考えている。

それらを除くと、対人恐怖症は、赤面恐怖グループ、表情・態度恐怖グループ(以下、言葉を簡略して表情・態度恐怖は単に表情恐怖とよぶことにする)、視線恐怖グループの三つの中核群と、吃音恐怖・書字恐怖グループ、会食恐怖グループ、排尿困難恐怖グループの三つの辺縁群に大別される。

各種神経症類型のなかで対人恐怖症がどのような位置を占めるかを、図一に示しておく。
対人恐怖症

図の中で対人恐怖症を中核群と辺縁群にわけ、さらにその他の神経症類型との相互の関連性を示しておいた。
このような類型的な位置づけがもつ精神病理学的および治療論的な意味については、これから逐次説明していく。

※参考文献:対人恐怖 内沼幸雄著